シナプシ畑。

何かにつながる十歩手前の雑記。

『新宝島』(微バレ)

 一時間以内のアニメが観たい!

 できれば手塚治虫が関わっていて登場人物が全員動物の、冒険アニメが観たい!

 そんなあなたにこの一本!

 

海図

 

 

地図『基本情報』

 原作 ロバート・ルイス・スチーブンソン
 監督 手塚治虫
 公開 1965年

 

 

冒頭から出航

 旅館『ベンボー亭』の経営者の息子であるウサギのジムは、謎の宿泊客ビリー・ボーンズに「『一本足』が来るか見張っていろ」と言われ今日も海を眺めていた。
 今日も一本足は来ない。
 宿屋へ帰ろうとしたジムだったが、道中、謎の男と出会う。
 最初は優しい顔をしていた謎の男は、ジムが探し人との関係者だと知るやいなや、ジムを脅迫し、探し人、ビリー・ボーンズまで案内させると、彼に手紙を渡してどこかへと去って行った。

 男の来訪にひどく動揺していたビリーは、渡された手紙を見てさらに震え上がった。
 すぐにでも逃げようとするが、直前まで酒を飲みまくり暴れ回っていたことで負担がかかっていた身体に、この手紙のショックでそれも限界にまで急上昇、彼はそのまま死んでしまった。

 これに困ったのはベンボー亭親子。
 このビリー・ボーンズ。金を払っていなかった

「料金をもらうだけ」
 二人はビリーが泊まっていた部屋へと入り、荷物を漁りはじめる。

 と、不思議な地図を見つけた。
 直後に外に蠢く複数の気配。
 あの謎の男が仲間を連れてやって来たのだ。

 命からがら逃げ出す親子。
 しかし、捕まってしまう前に、ビリー・ボーンズの死によって役人を呼びに行っていた医者兼地方判事の鹿、リプジーが役人を連れてようやく戻ってきた。

 所変わって、屋敷内。
 ジムとリプジー、そして地主ののトリローニが地図を囲んでいた。トリローニはその地図が大海賊フリントの宝の地図だと何故かすぐに気付き、早速宝探しへと出発する。

 一行に入ることができたジムは、陽気な片足のコック、シルバーと仲良くなり、厨房へとよく遊びに行っていた。
 しかし、この船にはフリントの宝を狙う恐ろしい海賊団が紛れていた。
 しかも、かなりの人数で。
 もちろん奴らのリーダーは、読者さんの予想通りのあのコックで・・・・・・。

 彼らは宝に夢中。早くも人間性が吹き飛び、獣本来の姿になり始めている。
 そんな中でジムとトリローニたち。そしてシルバーは正気を失わずに宝を探し出すことができるのだろうか。
 そして、フリントが残した宝物は一体何なのだろうか。

 


風向き 参考

 アマプラ
 Wikipedia

 


宝物庫

 ロバート・ルイス・スチーブンソン1850年生まれのイギリスの小説家・詩人・エッセイイスト。
 代表作は『宝島』『ジキル博士とハイド氏』などがある。

 1850年リーマン・ブラザーズ小泉八雲と同い年。

 小泉八雲ギリシャ生まれの文学者。
 作品『怪談』は日本各地から集めた前節や怪談を集めた怪奇文学作品集である。『耳なし芳一』『ろくろ首』なども入っている。

 

 

旅の感想

 「手塚治虫先生の白黒映画だよ」と言われたら一発で納得する絵柄と動きである。
 個人的に注目したいのは熊の船長だ。すごいのかすごくないのかわからないところが観ていて面白い。それになにより、説明を読むまで船長が熊だとはわからなかった。
 すごいのかすごくないのかわからないキャラクターがみたいのならおすすめ。
 そして、この映画にはフリントの元水夫も登場している。彼はすでに狂っていたが、それでももう一度元に戻りたいと願っていた。狂気からの脱出。彼の行く末も、この映画の注目かもしれない。

 

(敬称省略)

 

帰宅