『クローバーフィールド/HAKAISHA』(微バレ)試される三半規管
怪獣映画だ。
だが、この映画は怪獣を倒したり、正体を突き止める話ではない。
ただ、意味不明の存在に、逃げ惑う人がどのように生きるのか。
そこに主人公補正(動かなければならない理由が一般人よりも多い意味で)を足した話だ。
人間は敵ではない。
「本当に怖いのは人間」という話に辟易した人向け。でもある。
酔うけど。
さて! 今日も↓『続きを読む』↓を読んでみよう!
基本情報
監督 マット・リーヴス
制作 J.J.エイブラムス ブライアン・バーグ
公開 2018年
バレ無あらすじ
ニューヨークのマンハッタン、日本への転勤が決まったロブ(ロバート)のために、知り合いや友達が集まって送別会をするのだが、突然何かが現れて街中を混乱と恐怖に陥れる。
ロブは、パーティー中に喧嘩別れをしてしまった恋人のエリザベス(ベス)から電話越しに助けを求められ、友人達とともに彼女の住んでいるマンションまで向かう。その様子を、ロブの転勤に送るメッセージを記録するためのカメラをロブの兄、ジェイソンに押しつけられたハドソン(ハッド)が撮り続けていた。
ちょっとした知識
モキュメンタリー→疑似ドキュメンタリーともいう。
「モック(疑似)」+「ドキュメンタリー」=「モキュメンタリー」である。
ドキュメンタリー風に撮った架空の作品。
マンハッタン→ニューヨークの中心地区。国連本部やウォール街、セントラルパークなどがある。
セントラルパーク→メトロポリタン美術館などがある公園。
あと、カクテルにそういうのがある。
感想
・体調の悪い人、酔いやすい人は注意しろ! 酔う! とにかく、酔う! 自分は酔いまくり、えずきながら観た。胃に何かあったら危なかった。内容は面白い。えずいても観ちゃう。けど、しばらく具合が悪くなって休んだ。なので、体調が悪い時は観ない方がいい。
・この映画には、誰も特別な人はいない。この人は生き残るだろうという登場人物も、あ、駄目だなこの人はと思われる登場人物も、そんなの関係ない! 生き残るかそうでないかは行動と運次第だ! と言わんがばかりに誰が生き残るかわからない(全員残れないわけではないので、「どうせみんなタヒぬんだ!」と思わなくてもいい)。
・最初は口が軽すぎる登場人物や、無責任なキャラがいることにイラッとするが、彼らも後にいいところがあったりするし、足を引っ張るキャラが基本いないので、登場キャラクターにむかついて集中できないということは無かった。
・ロブが避難命令に逆らって勝手な行動を取った時も、友人達は『巻き込まれた』わけではなく、「俺は行く」と止められてもついて行く意思表示をしていたし(一人はその意思表示はしていなかったが、逃げようと言い続けている印象はなかったため、自発的について行ったと判断させてもらう)、ロブも「逃げてもいい」と巻き込もうとしなかったため、「こいつがいなければ逃げることができた」というよくある嫌な展開もなかった。
・それから怪獣映画であることと、ロブが転勤する先が日本であることから、制作者は日本の怪獣映画が好きなのだろうかと思ったが、この映画の着想がゴジラであることと、本当にゴジラのファンだったようだ。(「HAKAISHA」は邦題ではなく、制作のエイブラムスが指示してつけたのだそうだ)
85分と短めな映画だが、酔うので短いとは思わないだろう。
これを観るまで。(ちょっといい話 自分にとって)
私には探している映画があった。
監視カメラに残されていた映像。
逃げ惑う人々。
最後に彼らはとある方向を見て恐怖を浮かべ、その瞬間映像が終わった。
と、いう映画だ。
これをさりげなくツイで呟いたところ、いいねやリツがめっちゃ来たうえ、「これじゃないですか?」と教えてくださった方までいらした!
結果、この映画ではなかったが、「知ってる?」といった感じで拡散してくれる方々がいるということを知り。
私は、少しだけ人間が好きになった。
・・・・・・何の話だよ。
参照
アマプラ(視聴時 レンタル料299円)
映画紹介サイト複数(個人サイトのため、名前は伏せる)
なお、感想は100%私個人のものです。
バレ有感想
全体的には酔うという意外はノンストレス映画だ。
だがしかし、
でてくる怪物の正体も、やつを倒したか否かも、どうしていきなり現れたのかも、生き残ったあの人が最後にどこへ行ったのかもみーんな謎のままだ。
なので、「謎は解くものであり、創作物は謎を解き終わってようやく終わるのだ」と、いう人には勧められない。本当に謎が謎のままだ。
その代わりなのか、他はあまりストレス無く観ることができる。
最初の目標である女性を助けに行くので、そういう意味では足を引っ張ってしまうロブの恋人、ベスも助けられてからは怪我人とは思えない働きをするし、基本みんなで助け合って進んでいく。誰か一人だけ抜け駆けや、陥れてまで助かろうとする人はいない。
途中で出会う軍人も、手助けこそはしないが、必死に恋人を助けに行こうとするロブ達を無理矢理止めることなく、脱出のヘリの時間を教えて送り出してくれるので、誰かに阻まれて進めないという障害もない。
とにかく、彼らを阻むのは、やつと、やつが壊していった物だけだ。
まあ、撮影者がちょっとうるさいところもあるが、いないと平坦な救出劇になりそうだったので、彼も必要な人間だっただろう。
しかし、その撮影者がやられるとは予想できなかった。そして、大体「あ、これはタヒ亡フラグだ」という一人だけ違う乗り物に乗るということになってしまったリリーにタヒんだ描写はない。これも予想できなかった。
総評2。
予想できない謎が謎のままの、しかし、ストレス無く登場人物みんなそれぞれ魅力を持った映画だった。しかし、酔う!
である。
(敬称省略)
〆