『アヴリルと奇妙な世界』(微バレ)スチパン好きホイホイ映画
人間、必ず通る道がある。
そのうちの一つがスチームパンクへの憧れだ。
よくアニメや映画に出てくる蒸気機関を主な動力とした世界と、一体何に必要なんだよと言いたくなるごちゃごちゃとしたロマンが飾られている服装が有名なあの世界だ。
今日はそんなお友達が見たくなる映画を紹介したい。
ちなみに、私もそのお友達の一人だ。
さて! 今日も↓『続きを読む』↓を読んでみよう!
基本情報
原作者 ジャック・タルディ
監督 クリスチャン・デスマール
フランク・エキンジ
2019年公開。
2015年、フランスとベルギー、カナダで共同制作された作品だ。
バレ無あらすじ
時は1870年7月18日フランス。
フランスとプロイセンが戦争をする前日の夜から始まる。
若い科学者であるギュスターブはナポレオン三世から不老不死の血清をつくれと命令されていた。
しかし、血清は完成せず、怪我だらけの動物たちが多くいるばかり。唯一大きな発明と言えば(と、言うよりも副産物だが)、やってきたナポレオン三世たちに礼儀正しくあいさつをした『被検体』のみだ。しかも、不死身かどうかもわからない。
それに怒った三世はともにやってきたバズエル元帥に命じて『被検体』を撃たせてしまった。
割れるケージ。
逃げ出した被検体。
その過程でひっくり返してしまった薬品が混ざり合い、
ギュスターブ達は研究室もろとも消し飛んでしまった。
そのため、翌日に始まるはずだったフランス・プロイセンの戦争は回避されたのだった。
数年後。有能な科学者達は次々と行方をくらませていき、電気・ラジオ・テレビなども発明されず、石油や原子力も使われることがないまま、石炭やそれに変わる木々を巡って戦争がおきた。戦争に勝つために行方不明事件から免れた科学者達も国、警察によって連れて行かれてしまった。
1931年.
ギュスターブの子と孫は、彼の研究を続けていた。
しかし、とうとう警察の手が彼らに届き、逃走もむなしくアヴリルを除く両親と祖父が行方不明になってしまった。
そして! ようやく本編! 1941年6月18日。
未だ、動力源は蒸気機関のまま、すすだらけの世界でむせ返る街。
しかしながら街にあるのは、客船ほどもある巨大ロープウェイに、動く歩道。レトロフーチャーの名前にふさわしい街だ。
残された彼女は、パリのとある場所で、身体が弱ってしまったしゃべる飼い猫ダーヴィンを元気にするために薬を開発しながら暮らしていた。
ある日、薬調合の失敗に何もかも投げ出しそうになった時、どこから入ってきたのかネズミ型発信器から彼女に呼びかける声がした。
それは、間違いなく父親のものだった。
時代
1870年→フランスとドイツが開戦。
一方の日本では岩倉使節団が欧米に行った。
1929年→世界経済恐慌
1931年→満州事変
1941年→太平洋戦争 開戦
1945年→太平洋戦争 終戦
感想
スチームパンクの世界をちゃんと出しているので、スチパン好きは観ても損はない作品である。
登場人物やキャラクターはまるで絵本のようで、今の日本人から観ればあまりにも違和感まみれなのだが、機械や建物などはしっかりと描かれている。
女の子はあまり可愛くないが、研究に明け暮れている女の子が下手に可愛い方が違和感まみれなので、そこはぴったりだと思っている。
そして、私が最も印象に残っているのは、そこら中にある伏線だ。
よく見なければ気づくことができない。けれど確実に敷かれているのが、映画を観ていて一番好きなところだった。
ってか、『血清』って血液からできるものって辞書に書いてあったけど、不老不死の薬を血からつくる描写は一秒もなかったような・・・・・・。
参照
アマプラ
サイト 「フィルマークス」
サイト「映画.com」
山川出版社の「現代の世界史A 改訂版」
バレ有感想
私から観れば『彼ら』の考えは賛成できるものだった。集められた科学者達が協力的だったのもうなずける。
おそらく、アヴリルの両親も聞かされていただろう。その証拠に母は協力的だった。父は非協力態度だったが、それは、『彼ら』の目的よりも娘の方が心配であると考えた方がいいだろう。
母は『彼ら』の片方とどこか仲が良さそうだった。もしかしたら、彼女が協力的だったのは他にも理由があったのかもしれない。
そして、最後のシーン。
ダーヴィンの未来。そして流れていった写真から観て、アヴリルは『あれ』を使ったのだと思っている。
(敬称省略)
〆